親から土地を相続したものの、「何から手をつければいいのか分からない」と感じている方は少なくありません。

名義変更や測量、不動産会社への相談など、やるべきことが一度に思い浮かび、結局手が止まってしまうケースも多く見られます。

この記事では、相続した土地を売却するまでの具体的な手順を、必要書類や期間の目安とあわせて整理しました。全体の流れを把握することで、最初の一歩を踏み出しやすくなるはずです。

「何から始めればいいか分からない」と感じる理由

相続した土地の売却で最初につまずきやすいのは、やるべきことの全体像が見えていないことです。

名義変更・測量・査定など、やることが一度に見える

土地を相続すると、名義変更(相続登記)、境界の確認や測量、不動産会社への査定依頼など、複数のやるべきことが一度に頭に浮かびます。

どれから手をつければいいのか整理がつかず、結果として何も進められないまま時間が過ぎてしまうというケースも珍しくありません。

実際にはこれらは同時並行で進める必要はなく、順序立てて一つずつ対応すれば、思っているほど複雑な作業ではありません。

遠方に住んでいて現地の状況が把握しづらい

相続した土地が実家から離れた場所にある場合、現地の状況を直接確認する機会が少なく、何から手をつければいいのか判断しづらいという事情もあります。

境界標が残っているか、隣地との関係はどうかといった情報は、実際に現地を見なければ分からないことも多くあります。

まずは近隣の不動産会社に相談し、現地調査を依頼するところから始めると、遠方からでも状況を把握しやすくなります。

相続人が複数いて、進め方について合意が取れていない

兄弟姉妹など複数の相続人がいる場合、誰が中心になって手続きを進めるのか、売却してよいのかどうかについて合意が取れておらず、話が前に進まないこともあります。

土地を売却するには、相続人全員の同意が必要になるのが原則です。

早い段階で相続人同士の意向をすり合わせておくことが、後の手続きをスムーズに進めるための土台になります。

関連記事:相続した家の名義変更をしないとどうなる?期限と罰則をわかりやすく解説

相続した土地を売却するまでの具体的な手順

ここでは、相続した土地を売却するまでの流れを、実際の順番に沿って整理します。

相続登記(名義変更)を済ませる

土地を売却するためには、まず被相続人(亡くなった方)から相続人への相続登記を済ませておく必要があります。

相続登記は2024年4月から義務化されており、相続を知った日から3年以内に手続きをしないと過料の対象になる可能性があります。

必要な書類には、被相続人の戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書などがあり、司法書士に依頼すれば手続きを代行してもらうことも可能です。

境界確認・測量を行う

土地を売却する際には、隣地との境界がはっきりしているかどうかも重要な確認事項です。

境界標が確認できない場合や、隣地所有者との認識にずれがある場合は、土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を行う必要があります。

測量には数十万円程度の費用と、1か月から数か月程度の期間がかかることもあるため、売却のスケジュールに影響する要素として早めに把握しておくとよいでしょう。

不動産会社に査定を依頼し、媒介契約を結ぶ

境界などの状況が整理できたら、複数の不動産会社に査定を依頼します。

査定額や対応を比較したうえで、媒介契約を結ぶ会社を決め、販売活動を開始する形です。買主が見つかったら売買契約を締結し、引き渡しへと進みます。

査定から引き渡しまでの期間は、一般的に3か月から6か月程度が目安とされていますが、境界確定などの手続きが必要な場合は、その分だけ期間が長くなる可能性があります。

関連記事:相続でやることを期限順に一覧整理|流れと注意点をわかりやすく解説

つまずきやすいポイントとその対処法

手順が分かっていても、実際に進める中でつまずきやすいポイントがいくつかあります。

相続人全員の同意を得るのに時間がかかる

売却には相続人全員の同意が必要ですが、話し合いがまとまらず時間がかかるケースは少なくありません。

全員が一堂に会するのが難しい場合は、書面や電話、オンラインでのやり取りを組み合わせて進める方法もあります。

誰か一人が窓口となって、進捗をこまめに共有することで、合意形成がスムーズに進みやすくなります。

境界が確定せず売却時期が読めない

隣地所有者との境界確認に時間がかかり、売却の見通しが立てにくくなることもあります。

隣地所有者と連絡が取れない、あるいは境界について意見が食い違うといった場合は、専門家である土地家屋調査士や、必要に応じて弁護士に相談することも選択肢になります。

境界確定を待たずに、境界非確定のまま売却する方法もあるため、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

売却益にかかる税金の見通しが立たない

土地の売却によって利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税がかかります。

ただし、相続した空き家や土地を売却する場合には「相続空き家の3,000万円特別控除」など、条件を満たせば税負担を軽減できる制度もあります。

税金の見通しが立たないまま売却を進めると、想定外の負担に驚くこともあるため、早い段階で税理士や不動産会社に相談しておくことをおすすめします。

関連記事:【相続した家をどうする?】迷ったときに整理すべき判断ポイントを解説

「手続きは自分一人で全部やらないといけない」は誤解

相続した土地の売却というと、すべてを自分一人で調べて進めなければならないと考えてしまう方もいますが、実際にはそうではありません。

相続登記は司法書士、境界確定は土地家屋調査士、税金は税理士、売却活動は不動産会社と、それぞれの専門家に任せられる部分が多くあります。

すべてを自分で理解しようとするのではなく、まず不動産会社に相談し、必要に応じて他の専門家を紹介してもらうという進め方でも十分です。

一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら進めることが、結果的に手続きをスムーズに終わらせることができるでしょう。

まとめ

相続した土地の売却は、相続登記、境界確認・測量、査定・媒介契約、売買契約、引き渡しという流れで進みます。

それぞれの段階には専門家が存在するため、すべてを自分一人で抱え込む必要はありません。相続人が複数いる場合は早めに意向をすり合わせておくこと、境界や税金など見通しが立たない部分は早い段階で専門家に相談しておくことが、手続きをスムーズに進めるポイントです。

まずは不動産会社に相談し、自分の土地の状況を整理するところから始めてみてください。判断に迷う場合は、無料のお見立て診断で状況を整理することもできます。

関連記事:空き家の売却手続きは何から始める?必要書類・費用・期間について徹底解説


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